高校生の発達障害、就職の支援制度をしっかり活用、高校卒業後の進路

      2017/10/29

高校卒業後の就職には、国や自治体の支援制度をしっかり活用しましょう。

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高校卒業後の進路はどうする?、発達障害者の就職支援、大学への進学

就職か、進学か。高校を卒業した後は、進路を選びます。

発達障害を持つ高校生も、高校卒業後は、次のステップに進むため、進路を選ぶことになります。
高校を卒業して、就職して仕事へ就く。知的能力が高ければ、大学などへ進学する。

発達障害や、知的障害を持つ高校生にとって、就職でも、大学への進学でも、とても厳しい状況なのが現実です。
卒業直前になって、慌てることのないように、高校生の間に、しっかりと準備をしましょう。

発達障害者が、大学へ進学する。

発達障害でも、知的障害がなければ、大学へ進学することは十分可能です。
ただ、知的能力が高くても、大学での生活は、高校までとは大きく変化するため、発達障害者にとって敷居が高いのが実態です。

発達障害と知的障害と併せ持つ場合などは、大学への進学は考えず、就職活動に集中することになります。

発達障害者に向いてる仕事は?

発達障害があっても、一流企業に就職したり、音楽家や医師などの専門的な職種で活躍している人も多くいます。
また、歴史的な世界の偉人、物理学者アインシュタイン博士や、発明王エジソンも、発達障害だと言われていますが、素晴らしい功績を残しています。

発達障害でも、自分にあった仕事で、優れた能力を発揮できることは十分にあります。

しかし、発達障害があると、それぞれに不得意な分野があり、社会に適合するのが苦手です。

  • 人とのコミュニケーションが苦手
  • 集中力が続かない。
  • 文章を読むのが苦手
このような発達障害の特徴を十分に理解して、発達障害者が、自分の得意な分野の能力を発揮できる仕事を選ぶことが大切です。

発達障害の特徴にあった仕事を選ぶ。

発達障害者の中には、優れた一面があっても、いつまでも仕事に就けない人がいます。いくら就職活動を熱心に頑張っても、不採用になって、仕事に就けないのです。

その原因は、人によって様々ですが、希望する仕事と、発達障害者自身の特徴があっていない場合が、ほとんどです。

高機能自閉症のように、知的能力は高くてもコミュニケーションが苦手な特徴があると、営業の仕事のように、対人関係の能力を重視する会社へは、なかなか就職することができません。
ADHDのように、集中力が続かず、うっかりミスが多い場合には、経理の仕事などには、向いていません。

仮に、向いていない仕事に、就職できたとしても、長続きせずに、仕事を辞めてしまうことが多くなります。

仕事は長く続けられないと、せっかく就職しても、意味がありません。

仕事を選ぶには、自分自身の発達障害の特徴を把握することから、始めましょう。

まずは、学校の就職指導、進学指導

高校生の発達障害者が、就職や大学への進学などの、進路を選ぶときには、まずは学校の就職指導や、進学指導を活用しましょう。

それぞれの学校には、これまでの卒業生が体験した情報があります。学校が持つ就職や進学の情報は、他では得られない、貴重な情報です。

学校の就職指導の時には、発達障害の特徴を考慮して、向き不向きの業種を判断してもらいましょう。

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発達障害者支援センターなどの公的機関で就職の支援を受ける。

発達障害者をサポートする公的機関が、発達障害者支援センターです。
  • 仕事を見つけたいけど、就職活動をどうしたらいいかわからない。
  • 就職しても、仕事が長続きしない。

こんな発達障害者の、就職の悩みなどを、発達障害者支援センターでは、相談・助言してくれます。
就職についての面談を実施だけでなく、ハローワーク(公共職業安定所)や、地域障害者職業センターと連携して、発達障害者に適した就職先の情報を提供してくれます。

また、就職が決まった後にも、支援を受けられます。必要に応じて、発達障害者支援センターの職員が就職先の会社を訪問し、発達障害者の特性などを事業主に説明し、働きやすい職場環境について事業主へ助言してくれます。この助言制度を、ジョブコーチ制度と言います。

発達障害者支援センターとは?

発達障害者支援法で決められた、発達障害者の就職を支援する施設です。

発達障害についての、総合的な相談・支援の窓口となる公的機関です。就職に限らず、日常生活などの、あらゆる悩みに対応してくれます。

  • <発達障害者支援センター>
  • 都道府県が運営
  • 発達障害者の支援に特化
  • 就職以外の支援にも対応
  • 発達障害者支援法で規定

地域障害者職業センターとは?

障害者の専門的な就職支援などを行う公的施設です。

地域障害者職業センターとは、障害者の雇用の促進等に関する法律によって、障害者の専門的な就職支援などのために、全国それぞれの都道府県に設置している公的施設です。

地域障害者職業センターの運営は、厚生労働省が所管する独立行政法人である「高齢・障害・求職者支援機構」が行うことが、法律によって定められています。

この地域障害者職業センターでは、発達障害者に限らず、身体障害者や知的障害者など、障害者全般の就職を専門的に支援してくれます。
職業訓練や、就職に必要な資格取得などのスキルアップを支援してくれます。
また、障害者手帳を取得している障害者はもちろんですが、障害者手帳を持っていない障害者であっても、対応してくれます。

地域障害者職業センターと、発達障害者支援センターとの主な違いは、運営が都道府県か国の機関か、支援対象を発達障害者に特化してるか、支援内容が就職関係に特化しているか、これらが主な違いです。

  • <地域障害者職業センター>
  • 国の機関が運営
  • 障害者全般を幅広く支援
  • 就職の支援に特化
  • 障害者の雇用の促進等に関する法律で規定

ジョブコーチから就職の支援を受ける。

発達障害者には他の人と違った特徴があるため、せっかく就職しても、職場環境に馴染めない場合があります。
身体障害者と違い、発達障害者は、見た目では障害がわからないので、事業主や職場の同僚に、理解されにくいことがあります。

そんな時に頼りになるのが、ジョブコーチです。

ジョブコーチとは?

ジョブコーチとは、障害者が働きやすい職場環境を助言するため、発達障害者支援センターや地域障害者職業センターなどから派遣されるスタップです。

事業主と発達障害者本人の両方に対し、障害者が働きやすいように助言を行い、職場環境への順応を調整するのが、ジョブコーチの役割です。
障害者が働く職場へ出向くなどして、事業主と障害者の仲介役となり、障害者が働きやすい職場環境を実現し、事業主と障害者の両方のメリットを目指します。

ジョブコーチの申し込み方法は?
  • 発達障害者支援センター
  • 地域障害者職業センター
  • ハローワーク

ジョブコーチの申し込みは、このどこかで申請できます。就職支援を受けていた窓口があれば、そこに申し込みましょう。
障害者職業カウンセラーが支援計画を作成して、ジョブコーチの派遣を手続きしてくれます。

ジョブコーチの指導内容です。
  • 障害者本人への支援
  • 挨拶などコミュニケーションの指導
  • 報告や連絡、ビジネスマナーなどの指導
  • それぞれの職場ルールの遵守の指導
  • 遅刻防止など社会人としての指導
  • 仕事のスキル向上、作業能力向上の指導
  • 事業主への支援
  • 障害者の特徴の基本的な知識の指導
  • 障害者への指示方法や対応方法の助言
  • 障害者への具体的な配慮の助言

障害者手帳で就職の支援を受ける。

発達障害者の場合は、障害者手帳を活用して、就職への支援を受けることもできます。

以前は、発達障害者では、障害者手帳がもらえなかったこともありますが、現在では、障害の程度によりますが、発達障害だけでも、障害者手帳がもらえるようになりました。

障害者手帳とは?

心身に障害がある人の手帳は、この3種類です。
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳

発達障害者が取得できる障害者手帳は、正式名称を「精神障害者保健福祉手帳」と言います。
この「精神障害者保健福祉手帳」は、普段は、単に障害者手帳と呼ばれます。

  • 自閉症
  • アスペルガー症候群
  • ADHD注意欠如多動性障害
  • LD学習障害
これらの発達障害で、一定以上の障害の程度があれば、精神障害者保健福祉手帳の交付対象です。
  • 精神障害(統合失調症、うつ病、不安障害など)
  • 脳神経疾患(てんかんなど)

発達障害者の他にも、精神障害や脳神経疾患でも、精神障害者保健福祉手帳が取得できます。

そして、身体障害者が取得できるのが「身体障害者手帳」、知的障害者が取得できるのが「療育手帳」です。
発達障害と知的障害を併せ持っていれば、精神障害者保健福祉手帳と療育手帳の両方の手帳を取得することができます。

障害者手帳で、障害者雇用率の対象者になる。

障害者手帳があると、どうして、就職で有利になるのかというと、国が企業に対して、一定の割合で障害者の雇用を義務付けているからです。

障害者手帳を持つ障害者は、障害者雇用率の対象者になります。

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、3つのどの手帳であっても、障害者雇用率の対象者になります。
以前は、身体障害者手帳と療育手帳だけが対象でしたが、精神障害者保健福祉手帳も対象に追加されました。

障害者雇用率制度とは?

障害者雇用率制度とは、障害者でも、就職の機会を得られるように、障害者雇用率を設定し、事業主に障害者雇用を義務付ける制度です。

この障害者雇用率制度は、障害者雇用納付金制度とあわせて、運用されています。

障害者雇用納付金制度では、国は、障害者雇用率が未達成の会社から、納付金を徴収し、障害者雇用率を達成している企業へ調整金を支給します。

つまり、

  • 障害者手帳を持つ、障害者を多く雇用する会社は、国からお金がもらえる。
  • 障害者手帳を持つ、障害者をあまり雇用しない会社は、国へお金を支払う。

これが、障害者雇用納付金制度です。

そのため企業は、国から義務付けられた障害者雇用率を達成するために、一定数の障害者手帳を持つ障害者を、雇用しようとするのです。

以前は民間企業の法定障害者雇用率は2.0%でしたが、平成30年からは2.2%、平成33年には2.3%に段階的に引き上げられます。
今後は、雇用率の引き上げによって、障害者がより多く働けるようになります。

障害者手帳の申請方法は?

  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳(知的障害)
  • 精神障害者保健福祉手帳(発達障害、精神障害)
どの障害者手帳も、住んでいる地域の市役所などの障害者担当の窓口で申請しましょう。

市役所などで申請後に、障害の程度を診断する検査などを受けて、障害者手帳が交付されます。

障害者手帳での就職の注意点

障害者手帳を使って、障害者枠で就職した場合には、業務内容に制限があるので注意が必要です。

障害者でも、一般の条件で就職した場合には、職場環境や業務内容で、障害への配慮があまり期待できません。そして、会社からは、一般と同じように、仕事での成果を求められます。
その反面、仕事の成果や、本人の能力に応じて、収入の増加や、昇進などの出世も可能です。
障害者にとって、条件は厳しいけど、それだけ、やり甲斐がある仕事内容ができます。

  • 障害者枠での就職の注意点
  • 業務内容に制限がある。
  • 収入が低くなる。

障害者枠で就職した場合は、障害者本人が希望する業務内容ができる訳ではありません。
障害への配慮はあっても、業務内容が自由に選べる訳ではないのです。

発達障害者や知的障害者には、ほとんどの会社で、補助的な業務や、簡単な単純作業を与えられます。
たとえ、パソコン関係の仕事を希望しても、障害があると、なかなか責任ある仕事を任せてくれないのが現実です。

障害者枠での就職では、一般の条件での就職に比べて、収入が低くなります。

また、昇給や昇進などの出世も期待できません。

障害者枠での就職、一般条件での就職。
どちらにするかよく考える必要がありますが、一般の条件で就職活動を行っても、就職できないことには意味がありません。

障害者が、とりあえず就職するには、障害者枠での採用が有利なのは事実です。

まとめ、発達障害者の高校卒業後の進路、就職の支援制度

  • 発達障害の特徴にあった仕事を選ぶ。
  • まずは学校の就職指導、進学指導
  • 公的機関で就職の支援を受ける。
  • 発達障害者支援センターを活用する。
  • 地域障害者職業センターを活用する。
  • ジョブコーチから就職の支援を受ける。
  • 障害者手帳で就職の支援を受ける。

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<参考>関係法令

発達障害者支援法と、障害者の雇用の促進等に関する法律の抜粋です。

発達障害者支援法(抜粋)

(発達障害者支援センター等)
第十四条  都道府県知事は、次に掲げる業務を、社会福祉法人その他の政令で定める法人であって当該業務を適正かつ確実に行うことができると認めて指定した者(以下「発達障害者支援センター」という。)に行わせ、又は自ら行うことができる。
一  発達障害の早期発見、早期の発達支援等に資するよう、発達障害者及びその家族その他の関係者に対し、専門的に、その相談に応じ、又は情報の提供若しくは助言を行うこと。
二  発達障害者に対し、専門的な発達支援及び就労の支援を行うこと。
三  医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体並びにこれに従事する者に対し発達障害についての情報の提供及び研修を行うこと。
四  発達障害に関して、医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体との連絡調整を行うこと。
五  前各号に掲げる業務に附帯する業務
2  前項の規定による指定は、当該指定を受けようとする者の申請により行う。
3  都道府県は、第一項に規定する業務を発達障害者支援センターに行わせ、又は自ら行うに当たっては、地域の実情を踏まえつつ、発達障害者及びその家族その他の関係者が可能な限りその身近な場所において必要な支援を受けられるよう適切な配慮をするものとする。
(秘密保持義務)
第十五条  発達障害者支援センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、職務上知ることのできた個人の秘密を漏らしてはならない。

障害者の雇用の促進等に関する法律(抜粋)

(障害者職業センターの設置等の業務)
第十九条 厚生労働大臣は、障害者の職業生活における自立を促進するため、次に掲げる施設(以下「障害者職業センター」という。)の設置及び運営の業務を行う。
一 障害者職業総合センター
二 広域障害者職業センター
三 地域障害者職業センター
2 厚生労働大臣は、前項に規定する業務の全部又は一部を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」という。)に行わせるものとする。

(地域障害者職業センター)
第二十二条 地域障害者職業センターは、都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行う。
一 障害者に対する職業評価、職業指導、職業準備訓練及び職業講習を行うこと。
二 事業主に雇用されている知的障害者等に対する職場への適応に関する事項についての助言又は指導を行うこと。
三 事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言その他の援助を行うこと。
四 職場適応援助者の養成及び研修を行うこと。
五 第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センターその他の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言その他の援助を行うこと。
六 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

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