小中学校の普通学級でも、発達障害児への配慮はあるのか?、対処方法を紹介

      2018/08/13

通常の学級でも、発達障害児への配慮をしてもらえます。

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質問
発達障害がある子が、小中学校の普通学級に通う場合に、学校から障害への配慮をしてもらえますか?

はい。通常の学級でも、発達障害への配慮は、学校の義務なんです。

子供に障害があっても比較的軽度なら、普通学級に入れたいと考える保護者はいると思います。
小中学校の通常の学級でも、障害に対して配慮をしてもらえます。

1、発達障害への配慮は学校の義務

学校が障害への配慮をしてくれない時の対処方法も紹介します。

障害へ配慮した指導を「特別支援教育」と言います。
障害の程度が比較的重い子には、障害支援の専門性の高い「特別支援学校」で特別支援教育を受けます。

  • 特別支援学校(専門の学校)
  • 特別支援学級(普通の学校)
  • 通級による指導(普通の学校)
  • 通常の学級(普通の学校)

障害の程度が比較的軽い子は、普通の小中学校に通うことになります。

普通の公立小中学校には、「特別支援学級」と呼ばれる、障害児への支援を目的としたクラスが併設されている場合があります。
もちろん、この特別支援学級では、発達障害を持つ子へ配慮した特別支援教育を受けられます。

「特別支援学級」では、少人数学級で、障害の状況のニーズに応じた教育が受けられます。
「通級による指導」では、ほとんどの授業は「通常の学級」に在籍しながら、障害に応じて特定の授業だけ、支援学級などに移動して指導を受けます。

そして 「通常の学級」に在籍している障害を持つ子でも、障害に配慮した特別支援教育を受けられます。

発達障害を持つ子が、公立の小学校や中学校の「通常の学級」に通った場合でも、障害への配慮を受けられるんです。

文部科学省のパンフレットにも、小中学校の「通常の学級」でも障害に配慮した特別支援教育が受けられると書かれています。

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2、でも理解のない学校や先生も多い。

残念ですが、障害に対して理解がない、先生もいます。

昔は、障害児へ配慮した指導は「通常の学級」では受けられませんでした。
障害に対して配慮を受けられるのは、「特別支援学級」や「特別支援学校」で、健常児と区別した環境だけでした。

ベテランの先生などは、昔の発想で、「通常の学級」で「障害児への配慮はできない」と考えてる先生が、残念ですがいます。
しかし、平成19年から「通常の学級」でも、障害へ配慮した特別支援教育を行うように、法律が改正されています。
障害の程度が軽ければ、通常の学級に在籍して、障害への配慮を受けられるようになったんです。

「普通学級で障害への配慮はできない」、今でも、こんなことを言う先生は、法律を知らずに、法律に背く行為をしているのです。

まだまだ、法律を知らない、残念な先生がいるのが実態です。

3、法令的根拠の説明、発達障害への配慮

学校教育法では、小中学校の「通常の学級」でも特別支援教育を行うと決められています。

学校教育法(法律)

学校教育法第81条では、次の2つが決められています。
  • 1、普通の小中学校の「通常の学級」でも、特別支援教育を行う。
  • 2、特別支援教育では、学習面だけじゃなく、生活面の支援も行う。
学校教育法第81条

第81条 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。

この学校教育法第81条での、「小学校、中学校」とは、普通の公立の小中学校の「通常の学級」のことです。
「障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育」と言うのが、特別支援教育のことです。
つまり、障害を持つ子のために、小中学校の「通常の学級」でも特別支援教育を行うことを決めています。

この学校教育法の条文でわかるように、特別支援教育では、学習面だけじゃなく、「学習上」と「生活上」の両方への支援を行うものなんです。

「学習指導要領」と「学校教育法施行規則」

学校教育法に続き、文部科学省の学習指導要領でも、さらに具体的な特別支援教育の決まりがあります。

この「学習指導要領」とは、文部科学省の「告示」と言う法令の一種です。学校教育法について補足する、文部科学省令の「学校教育法施行規則」の中で、小学校や中学校の教育課程は、「学習指導要領による」と決められています。

  • 1、法律「学校教育法」
  • 2、省令「学校教育法施行規則」
  • 3、告示「学習指導要領」

法令では、1法律、2省令、3告示の順番で、より具体的な内容を決めています。

学校教育法施行規則(文部科学省令)

第52条 小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。
第74条 中学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する中学校学習指導要領によるものとする。

教育課程とは学校で教える内容のこと。この文部科学省令で、小中学校の教育課程は、学習指導要領によると決められています。

小学校学習指導要領

第1章 総則 第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項 2
(7)障害のある児童などについては、特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ、例えば指導についての計画又は家庭や医療、福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより、個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。特に、特別支援学級又は通級による指導については、教師間の連携に努め、効果的な指導を行うこと。

中学校学習指導要領

第1章 総則 第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項 2
(8)障害のある生徒などについては、特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ、例えば指導についての計画又は家庭や医療、福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより、個々の生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。特に、特別支援学級又は通級による指導については、教師間の連携に努め、効果的な指導を行うこと。

小中学校では、「個々の生徒の障害の状態等に応じた」教育を行うことが決められています。

学習指導要領の中では、「個々の生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。」と決められています。
つまり、障害を持つ子の一人一人の教育的ニーズに応じた、学習や生活での困難を克服するための指導である、特別支援教育が小学校や中学校の「通常の学級」で受けられるんです。

それぞれの地域の教育課程の条例

学習指導要領は、法令なので全国統一ルールです。

この学習指導要領や、学校教育法施行規則は、国が定めた法令です。
つまり、全国統一ルールなので、学習指導要領の「特別支援教育」を行うことは、日本全国どの地域でも決められています。

その全国統一ルールに加え、それぞれの地域の自治体が条例によって、教育課程について補足を決めている場合があります。
自治体が決めている条例でも、国の法令を守るのは当然なので、「学習指導要領による」教育課程とする決まりになっています。

ここでは、参考までに、東京都と大阪市の条例を紹介します。
東京都23区内の公立小中学校は「区立」、大阪市では「市立」です。

新宿区立学校の管理運営に関する規則

(教育課程編成の基準)
第11条の6 小中学校が、教育課程を編成するに当たつては、学習指導要領及び委員会が別に定める基準による。

大阪市立学校管理規則

(教育課程の編成)
第3条 校長は、毎年、学習指導要領及び教育委員会が定める基準により、翌学年の教育課程を編成しなければならない。ただし、高等学校並びに小学校及び中学校の特別支援学級の教育課程については、校長は、教育委員会の承認を受けなければならない。

どんな地域の小中学校でも、学習指導要領によって、学校で教える内容が決まっているんです。

4、障害児へ配慮のない学校への対処方法

障害児への配慮がないのは、学校や先生による法令違反です。

学校教育法や、学習指導要領で、小学校や中学校の「通常の学級」でも、障害を持つ子の一人一人のニーズに応じた特別支援教育を行うを決められています。
つまり、障害児への配慮がないのは、「学校や先生による法令違反」なんです。

障害児への配慮は、保護者が学校にお願いするのではありません。
障害児への配慮は、学校が法令に基づき行う当たり前の行為なんです。

障害児へ配慮のない学校への対処方法は、学校へのお願いではなく、「学校の法令違反を指摘する対処方法」です。

前提条件としては、まずは、正式に障害を申告すること。

特別支援教育を受ける前提条件が、「障害を学校に申告していること」です。

まずは、子供に障害があることを、学校に正式に申告しましょう。
当たり前ですが、学校が障害と知らなければ、学校は対応ができません。
本来なら、障害の申告は、口頭だけでも構わないのですが、対応しない学校に対しては、正式に文書で障害を申告しましょう。

発達障害なら、専門医が作成した正式な「診断書」のコピーを、学校に提出しましょう。

発達障害の場合は、障害の状態に、個人差が大きいので、診断書の項目を学校に理解してもらう必要があります。
発達障害と診断された正式な診断書のコピーを提出した以上は、学校は障害を知らなかったとは言えなくなります。
障害に関する個人情報を学校へ渡すことに抵抗があるかもしれませんが、そんなことを気にしていたら、子供が特別支援教育を受けられません。

知的障害なら、療育手帳や、児童相談所が発行する公的な正式書類を提示しましょう。
軽度の知的障害でも、手帳には「言語分野」や「認知分野」などの細かな内容が書いていないので、診断書も提出したほうが、学校に障害の状況を正確に伝えられます。

学校に障害の状況を正確に伝えれば、それだけ的確な特別支援教育が受けられます。

障害の程度によっては「通常の学級」は不可

授業の迷惑になるなら、通常の学級を断られる・・・

小中学校の「通常の学級」が対応できる障害児は、障害の程度が比較的軽い障害児だけです。
重度の障害で、他の子に迷惑がかかると判断されると、「通常の学級」ではなく、支援学級や支援学校に就学することになります。

「障害者基本法」という法律で次の3つが、国と自治体には義務化されています。

  • 1、可能な限り障害児が、障害でない子と共に教育を受けられるよう配慮
  • 2、障害児とその保護者に対し十分な情報の提供を行う。
  • 3、可能な限り保護者の意向を尊重

このように障害児が就学する学校や学級の種別は、可能な限り保護者の意向を尊重と決められていますが、最終的には、障害の程度に応じて、教育委員会が判断します。
どの程度の障害なら、どの学校や学級の種別になるかは、常識の範疇での判断になります。

授業中に着席できない、授業中に大声を出す、こんな場合には、通常の学級は難しいと思います。

障害を申告しても、学校が障害に配慮しない時の対処方法

学校の先生に、「法令違反はダメ」と指摘します。

障害児への配慮のお願いを聞いてくれない学校への対処方法は、障害児への配慮がないのは「学校による違法行為」と、きっぱりと指摘することです。

保護者から学校へお願いしても聞いてくれないなら、下手に出る必要はありません。そんな学校の違法行為に対して、いつまでも付き合う必要はないんです。
強行手段となり、残念ですが、「あなたたち学校の教員のやっていることは、違法行為だ。」と、保護者から学校に強く抗議しましょう。
どうせ、丁寧にお願いしても聞いてくれない学校なのですから。

まずは担任の先生、次に校長先生と教頭先生、それでもダメなら、学校を指導する立場の「教育委員会」の順番に、しっかりと学校の法令違反を指摘します。

学校に言ってもダメなら、教育委員会に言いましょう。

学校がダメなら、教育委員会に指摘

それぞれの市役所などに、教育委員会はあります。

教育委員会とは、学校を監督・指導する役所の組織です。

東京都23区の区立の学校なら各区の教育委員会と東京都教育委員会、大阪市立の学校なら大阪市教育委員会、教育委員会の特別支援教育の担当部署に、「学校の法令違反」を指摘します。

その上で、教育委員会から学校を指導してもらうように依頼します。

教育委員会の特別支援教育の担当窓口は、障害児への教育上の配慮を決めた学校教育法や学習指導要領を普及するのが、そもそもの仕事です。
しかし、万が一、教育委員会も障害児への配慮を断るような対応をした場合は、国の組織である文部科学省に指導要請する方法や、市長や議員などの政治家の方に依頼する方法などもあります。

最終的には、弁護士を雇って裁判をすれば、必ず勝てます。だって、法律で決まっていることを、やらないのですから。
さすがに、教育委員会が、障害児への配慮を断ることは基本的にありえません。

5、まとめ、普通学級でも発達障害への配慮はある。

学校が障害児への配慮のお願いを聞いてくれないのは、「学校の法令違反」です。
  • 「通常の学級」でも、障害に配慮した特別支援教育を受けられる。
  • 残念だけど、障害に対して理解がない、先生もいる。
  • 昔は、障害児へ配慮した指導は「通常の学級」では受けられなかった。
  • 学校教育法第81条で、小中学校の「通常の学級」でも特別支援教育を行うと決めている。
  • 特別支援教育では、学習面だけじゃなく、生活面の支援も行う。
  • 学習指導要領で「個々の生徒の障害の状態等に応じた」教育を行うと決めている。
  • 学校教育法や学習指導要領は、法令なので全国統一ルール。
  • 障害児への配慮がないのは、学校や先生による法令違反。
  • 学校が障害に配慮しない時の対処方法は、「学校による違法行為」と指摘すること。
  • 担任の先生がダメなら校長先生に「学校の違法行為」を指摘する。
  • 学校がダメなら教育委員会に「学校の違法行為」を指摘する。
お願いしてもダメなら、しっかり正論を主張するのが、対処方法ですよ。


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