発達障害とは?発達障害って何?

アスペルガー症候群の特徴。人に関心がない、運動が苦手、不器用、こだわりが強い、要領が悪い。

明らかな言語の遅れや知的な遅れがないので、幼児期での発見が難しいのがアルペルガー症候群です。

大人の発達障害の特徴 小学生の発達障害の特徴 幼児の発達障害の特徴 乳児の発達障害の特徴

アスペルガー症候群とは?

Asperger syndrome

アスペルガー症候群とは、コミュニケーションなどの対人関係が苦手な発達障害です。限定した常同的な興味、行動をするという特徴があります。

多くの症状は自閉症と同じですが、アスペルガー症候群は、明らかな知的な遅れ、言語発達の遅れを伴わないのが特徴です。アスペルガー症候群は、広汎性発達障害と自閉症スペクトラム障害に含まれます。

アスペルガー症候群は、幼児期に言語発達の遅れがないため、障害の発見が難しいです。成長とともに対人関係の問題が現れてくるのが特徴です。これまでは思春期や成人後に、初めて診断を受けることが多かったのですが、最近は早い時期から診断を受けることも増えました。

最初にこの症例を発表したオーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーにちなんで、アスペルガー症候群と名付けられました。

高機能自閉症とアスペルガー症候群は、どちらも知的な遅れがなく、自閉症スペクトラム障害に含まれ明確な線引きはできませんが、高機能自閉症では、言葉の遅れが見られるのが特徴です。

アスペルガー症候群の具体的な特徴の例

アスペルガー症候群の子には、こんな特徴があります。

  1. 人に関心がない、空気が読めない。
  2. コミュニケーションが苦手。
  3. 運動が苦手、手先が不器用。
  4. 特定の物にこだわる。
  5. 感覚が偏っている。
  6. 要領が悪い。

大人のアスペルガー症候群の特徴の具体例

アスペルガー症候群の発生頻度

アスペルガー症候群は約4000人に1人と言われています。

この発生頻度は、狭い意味でのアスペルガー症候群の発生頻度です。知的障害がない高機能自閉症も含めた広い意味でのアスペルガー症候群は、自閉症より多いと言われています。アスペルガー症候群は男性に多く見られます。



違いはココ。アスペルガーと注意欠如多動性障害ADHD

アスペルガーの特徴とよく似た発達障害のADHD、2つの比較表です。

アスペルガー症候群

ADHD
注意欠如多動性障害

相手に興味がなくて、相手の話を聞かない。

気が散って、相手の話を聞かない。

いつもと違う何かに反応して、相手にキレてしまう。

感情がおさえられず、衝動的にキレてしまう。

相手が嫌がるという概念がない。

わかっているけど、衝動的に相手が嫌がることをしてしまう。

共通点は、人付き合いが不得意。アスペルガーとADHD

人付き合いが不得意なのは、共通の特徴です。

アスペルガー症候群は、相手の気持ちに全く興味や関心がなく、一方的に行動してしまうのが原因です。
注意欠如多動性障害ADHDは、相手の気持ちはわかるけど、衝動的に行動してしまうのが原因です。


アスペルガー症候群の特徴の具体例

アスペルガー症候群の具体的な特徴を紹介します。

他の人と話している時に自分のことばかり話してしまって、相手の人にはっきりと「もう終わりにしてください」と言われないと、止まらないことがよくあります。

周りの人から、「相手の気持ちがわからない、自分勝手でわがままな子」と言われてしまいます。

でも、大好きな電車のことになると、専門家顔負けの知識をもっていて、お友達に感心されます。

kou02



1.人に関心がない、空気が読めない。アスペルガー症候群の特徴

他人に関心がなく、その場の雰囲気を読み取って行動することが苦手です。

人に関心がない、人付き合いが苦手。

アスペルガー症候群の特徴は、自分以外の他人のことに関心がないこと、人付き合いが苦手なことです。いつも一人で遊んでいる。友人がいないし、友人が欲しいと思っていない。友達とすぐにトラブルになる。他人のことに関心がない興味がない。人付き合いが苦手なことが、アスペルガー症候群の特徴です。

空気が読めない、雰囲気が理解できない。

アスペルガー症候群の特徴は、空気を読めないことです。
その場の雰囲気が理解できません。いわゆるKY、天然です。周囲の人の気持ちを考える気がなく、場面や状況に応じた対応ができません。みんなが静かにしているから、自分も静かにするということが理解できない特徴があります。

人の気持ちがわからない、表情が読めない。

アスペルガー症候群の特徴は、人の気持ちがわからないことです。
対人関係が不器用で、相手の気持ちがわからないし、相手の気持ちには興味がない。厳しい表情の人を笑ってしまう。にらまれても気づかない。相手が嫌な表情をしても気がつかない。人の気持ちが理解できない特徴がありあます。

常識や暗黙のルールが理解できない。

アスペルガー症候群の特徴は、常識やマナーが守れないことです。
友達の物を勝手に使うとダメということが理解できない。なんとなく決まっているルールが理解できない。暗黙のルールが理解できない特徴があります。


2.コミュニケーションが苦手。アスペルガー症候群の特徴

言葉の遅れはありませんが、人との会話が苦手で、上手に感情表現ができません。

曖昧な表現が理解できない。

アスペルガー症候群の特徴は、抽象的な表現や曖昧な表現が理解できないことです。
「あれ」「いつか」「たぶん」「ちゃんと」こういったあいまいな表現が理解できない。抽象的な表現が理解できないことがアスペルガー症候群の特徴です。

言葉の遅れはないけど、会話がちょっと変。

アスペルガー症候群の特徴は、会話がちょっと変なことです。
アスペルガー症候群は、言葉の遅れはありません。逆に言葉の発達が早い場合もあるくらいです。それでもコミュニケーションは苦手。すらすらと早口でずっと変なお喋りをしている。変に大人びた表現を使って喋る。専門用語みたいな難しい言葉を使って喋る。ちょっと会話が変で、コミュニケーションが苦手なことが、アスペルガー症候群の特徴です。

冗談や皮肉が理解できない。

アスペルガー症候群の特徴は、慣用句や冗談、皮肉などが理解できないことです。
比喩や例えを言葉の意味を文字通りにとらえてしまう。全く冗談が通じない。具体的で直接的な表現だけしか理解できないことがアスペルガー症候群の特徴です。

感情表現ができない。

アスペルガー症候群の特徴は、自分の感情を表現できないことです。
思ったことを言わない。自分の気持ちを表情に出さない。泣かない。笑わない。嬉しくても相手に感謝の気持ちを伝えられない。怒っても、悲しくても、喜んでも表情が変わらない。人に自分の気持ちを伝える必要性を感じていません。感情表現が苦手なのがアスペルガー症候群の特徴です。


3.運動が苦手、手先が不器用。アスペルガー症候群の特徴

運動が苦手、手先が不器用で、道具が上手に使えません。

運動が苦手、運動神経が悪い。

アスペルガー症候群の特徴は、運動が不得意で、運動音痴なことです。

縄跳び、跳び箱が苦手。鉄棒の逆上がりができない。ラケットやボールなどの道具を使った運動が不得意。ダンスや体操が苦手。

極端に運動神経が悪いのがアスペルガー症候群の特徴です。

手先が不器用で、道具を使うのが苦手。

アスペルガー症候群の特徴は、手先が不器用で、道具を使うのが苦手なことです。

箸で食べるのが苦手。うまく鉛筆が使えず字が下手、絵が下手。
靴のひもが結べない。ハサミを使うのが苦手。指先、手先が不器用、体を使うのが不器用。

極端に不器用なのがアスペルガー症候群の特徴です。


4.特定の物にこだわる。アスペルガー症候群の特徴

自分が好きなことには、こだわりが強くマニアック。うまく活用すれば、素晴らしい特徴です。

変化が嫌い。こだわりが強い。

アスペルガー症候群の特徴は、いつもと違うこと、変化を極端に嫌うことです。
いつも通りにこだわりがある。同じことを繰り返して、いつもと違うと不安になる。予想と違うことがあると不安。予期しない変化でパニックになる。他の人が不思議に思うくらい同じことにこだわり、変化が嫌いなことがアスペルガー症候群の特徴です。

特定のものにはマニアック

アスペルガー症候群の特徴は、自分に興味があることに極端にこだわりマニアックなことです。
電車のことは全て暗記、地図を暗記している。自分に興味があることには、異常にこだわり暗記したり集めたりする。特定の関心があることには異常にマニアックなのがアスペルガー症候群の特徴です。アスペルガー症候群には、知的能力がずば抜けて高い人がいるので、この特徴は得意分野を極めるのに役立っています。


5.感覚が偏っている。アスペルガー症候群の特徴

食べ物の好き嫌いが激しく、いろんな感覚が過敏です。

偏食、好き嫌いが激しい。

アスペルガー症候群の特徴は、偏食で、食べ物の好き嫌いが激しいことです。
肉が食べられない。魚が食べられない。野菜が食べられない。特定のものだけしか食べない。味覚が過敏で食べ物の好き嫌いが激しい。好き嫌いが激しく偏食、これがアスペルガー症候群の特徴です。

触覚、聴覚、視覚、嗅覚、平衡感覚。いろんな感覚が偏っている。

アスペルガー症候群の特徴は、いろんな感覚が偏っていることです。
触覚が敏感で触れる物を嫌がる。帽子を嫌がる。あごひもを嫌がる。服の素材が違うと嫌がる。ちょっとした明かりを眩しく感じる視覚敏感。白いものを眩しく感じる。周囲はなんともない明かりを眩しく感じる。

音を嫌がる聴覚敏感。大きな音でパニックになる。周囲の雑音が気になり集中できない。ちょっとした臭いを嫌がる嗅覚過敏。血がでても痛みを感じない。自分の体を傷つける自傷行為がある。平衡感覚が偏っていて姿勢が悪い、クルクル体を回しても全然目が回らない。いろんな感覚が偏っているのがアスペルガー症候群の特徴です。


6.要領が悪い。アスペルガー症候群の特徴

要領が悪くて、行動の切り替えが苦手です。

複数のことが同時にできない。要領が悪い。

アスペルガー症候群の特徴は、要領が悪くて、複数のことが同時できないことです。
黒板に書いていることを見ながら、ノートに書き写せない。人と話しながら、メモを取れない。知的能力が高くて、一つ一つのことはできても、それを同時にできないのが、アスペルガー症候群の特徴です。

行動が切り替えられない。

アスペルガー症候群の特徴は、一つのことをいつまでもやめない、行動が切り替えられないことです。
周囲の人が声をかけても、聞こえていないようにずっと同じことを続けてしまう。「片付けの後に食事」と言われても、ずっと片付けを続けてしまう。一つのことしかできなくて、行動が切り替えられないことがアスペルガー症候群の特徴です。


大人のアスペルガー症候群の特徴の具体例


年代別に障害の特徴、改善例をチェック

大人の発達障害の特徴 小学生の発達障害の特徴 幼児の発達障害の特徴 乳児の発達障害の特徴

障害の種類で特徴、改善例をチェック

自閉症の特徴 アスペルガー症候群の特徴 注意欠如多動性障害ADHDの特徴 学習障害LDの特徴

-発達障害とは?発達障害って何?

関連記事

ADHDの特徴。明るく元気、落ち着きがない。感情が抑えられない。せっかち。注意力が弱い。なんでも忘れる。

ADHDの特徴は、明るく元気よく活発なところです。ハイテンション、何にでも好奇心旺盛で積極的。子供らしい子供。この特徴は、とってもいいことです。発達障害でも、いいところを伸ばしていきましょう。

大人の発達障害の特徴

大人の発達障害とは?、特徴と改善例。なぜ大人になって発達障害に気づくのか?

大人の発達障害とは、子供の頃は障害に気が付かず、大人になって初めて発達障害と診断されることです。発達障害というと、言葉などの知的な遅れがあると考える人が多いため、勉強の成績が悪くないと発達障害に気づかれません。

乳児の発達障害の特徴。笑わない、泣かない、言葉が遅い、眠らない、目を合わせない、感覚が過敏。

乳児期の発達障害・知的障害の特徴の具体例です。笑わない、泣かない、言葉が遅い、眠らない、目を合わせない、感覚が過敏。早期に発達障害を発見することは、とても大切なことです。小さい頃から療育を始めることができます。

発達障害児の療育方法。感覚統合療法、遊びで脳に刺激。TEACCHティーチで構造化。PECSペクス。ABA。言葉かけ。

発達障害の療育方法、効果的な言葉かけの具体例を紹介します。感覚統合療法、TEACCH・ティーチ、PECS・ペクス、ABA・応用行動分析、「言葉かけ」

発達障害の二次障害

発達障害の二次障害、予防方法は?、うつ病、拒食症・過食症、非行

発達障害へのサポート不足が、二次障害を引き起こします。それぞれの発達障害の特徴にあったサポートで、二次障害は予防できます。

大人の発達障害の特徴 小学生の発達障害の特徴 幼児の発達障害の特徴 乳児の発達障害の特徴
自閉症の特徴 アスペルガー症候群の特徴 注意欠如多動性障害ADHDの特徴 学習障害LDの特徴