発達障害へのサポート不足が、二次障害を引き起こします。
-
<目次>、発達障害の二次障害
- 1、発達障害の二次障害とは。
- 2、うつ病
- 3、摂食障害、拒食症と過食症
- 4、非行、家庭内暴力
- 5、自傷行為、リストカット
- 6、予防方法、発達障害の二次障害
発達障害の二次障害とは。
発達障害では、劣等感や孤独感が強くなります。
対応が不十分だと、二次障害が起こりやすくなります。
発達障害の二次障害とは、発達障害へのサポートが不十分で、それが原因となり、新たに引き起こされる症状のことです。
発達障害と、元から並存している症状は、二次障害とは言わず、新しく生じた症状だけを二次障害と呼んでいます。
- 頑張っても、評価されない、理解されない。
- 劣等感や、孤独感が強くなる。
- 身体的、精神的な症状が現れる。
こうして発生した身体的や精神的な症状などが、発達障害の二次障害です。
発達障害の二次障害の種類
- 身体的症状、頭痛や腹痛など
- 精神的症状、うつ病や拒食症など
- 反社会的行動、非行や引きこもりなど
このように、発達障害の二次障害の症状には、いろんな種類があります。
発達障害の二次障害、その原因は?
1、叱責されることが多く、劣等感が強い。
発達障害があると、小さい頃から叱られたり、非難されたり、することが多くあります。
外見からは発達障害がわからないため、できないことを、不真面目だ、やる気がない、と誤解されてしまうのです。
いつも叱られてばかりだと、自尊感情が育ちません。
自分には価値がないと考えてしまい、劣等感が強くなり、発達障害の二次障害の原因となります。
2、他人から理解されず、孤独感が強い。
発達障害があると、特有の行動パターンや思考パターンがあります。そのため、周囲の人から理解してもらえず、適切なサポートを受けられません。
誰にもわかってもらえない、という疎外された気持ちが強くなります。
この孤独感が、発達障害の二次障害の原因となります。
うつ病
うつ病になると、精神的な症状と、身体的な症状が出てきて、何もやりたくないと感じるようになります。
-
うつ病の精神的な症状の例
- 意欲の低下
- やる気の喪失
- 集中力の減少
-
うつ病の身体的な症状の例
- 食欲の低下
- 倦怠感
- 睡眠障害
-
うつ病になりやすいタイプ
- 真面目で几帳面
- 勉強や仕事に熱心
- 責任感、正義感が強い
このように、自分が悪いと考えるタイプです。
発達障害が原因で、劣等感が強くなり、周囲からのサポートもなく孤独になると、二次障害として、うつ病を発症してしまいます。
うつ病と、発達障害の自閉症など、その違いは?
うつ病で落ち込んだ状態の症状は、自閉症などの発達障害の特徴と共通するものがあります。
しかし、うつ病は、成長後に発症しますが、発達障害は、先天的な生まれつきのものという、違いがあります。
一時的な症状での判断ではなく、小さい頃からの特徴などで判断しましょう。
摂食障害、拒食症と過食症
発達障害が原因の、劣等感や自己否定から、摂食障害の二次障害がでることがあります。
摂食障害には、拒食症と過食症の2つがあります。
食べることを極端に制限する拒食症、極端に食べ過ぎる過食症、この両方が摂食障害です。
摂食障害には、自分の意思で食事を拒否するケースや、限界を超えて食べ続けるケース、その他にも嘔吐を繰り返す身体的な症状もあります。
拒食症と過食症は関連があり、まずは食べない拒食症から、リバウンドで過食症に移行することが多くあります。
また、摂食障害は、女性に多いのも特徴です。
拒食症と、発達障害の偏食、その違いは?
食べ物の好き嫌いが多い偏食は、発達障害の特徴です。この発達障害の偏食は、生まれつき好き嫌いの個性が強いだけです。
好き嫌いに関係なく、ある時から食事を拒絶するのが拒食症です。
非行、家庭内暴力
発達障害による孤独感や劣等感から、反社会的な行動を繰り返すことがあります。
これが、発達障害の二次障害としての、非行や家庭内暴力です。
- 家族に対して暴言や暴力
- 物を壊す。
- 動物の虐待
- 挑発的な素行不良
- 万引きなどの犯罪行為
非行や家庭内暴力の二次障害は、ほとんどの場合、年齢が10代以降に発症します。年齢とともに、問題行動が増えて、深刻化してきます。
発達障害の中でも、ADHDの場合に、非行の二次障害が発症しやすいという指摘があります。
非行と、発達障害の癇癪、その違いは?
発達障害でも、かんしゃくを起こす特徴があります。この発達障害の癇癪は、目先の自分の欲求が満たされないことが原因です。
非行の場合は、直接的な欲求不満がなくても、問題行動を繰り返します。
自傷行為、リストカット
発達障害の孤独感や劣等感から、リストカットなどの自傷行為の二次障害を発症する場合があります。
- 自分の腕に噛み付く。
- 頭を壁にぶつける。
- 髪の毛を抜く。
- リストカット
リストカットは、女性の割合が多いのが特徴です。
自傷行為がリストカットまで発展する場合には、境界性パーソナリティ障害を発症している可能性があります。
境界性パーソナリティ障害では、感情的に不安定になり、衝動的に笑ったり、怒ったり、泣いたりします。その後、リストカットなどの自傷行為を衝動的にやってしまいます。
発達障害でも、二次障害ではなく、もともと自傷行為の特徴がある子もいます。元々の自傷行為の原因は、自分の欲求や気持ちを伝えたい場合、不快感を紛らわす場合、常同行動の場合などがあります。
しかし、刃物を使ったリストカットなど、本格的な行動は、元々の自傷行為ではありません。
自傷行為と、発達障害の癇癪、その違いは?
発達障害でも、かんしゃくを起こす特徴があります。この発達障害の癇癪は、目先の自分の欲求が満たされないことが原因です。
非行の場合は、直接的な欲求不満がなくても、問題行動を繰り返します。
予防方法、発達障害の二次障害
それぞれの発達障害の特徴にあったサポートで、二次障害は予防できます。
また、今まで発達障害に気がつかずに、すでに二次障害が発生している場合でも、適切なサポートで回復させることができます。
発達障害は生まれつきなので、根本的には改善しません。しかし、二次障害は、生まれつきではないので、周囲のサポートによって、予防と回復が可能です。
家族や、周囲の人の理解とサポートで、二次障害を予防・回復しよう。
劣等感をなくし、自尊心を高めてあげる。
発達障害があると、小さい頃から叱られることが多く、自分に自信が持てません。
誰でも、叱られてばかりでは、うつ病などの二次障害まで発展しなくても、劣等感が強く、無気力になってしまいます。
まずは、褒めること。
家族や周囲の人が応援していると、発達障害を持つ本人が実感することが大切です。
発達障害の特徴を、強制的に修正させようとすると、叱ってばかりになります。発達障害の特徴のプラスの面を褒め、本人の気持ちを変化させましょう。
- ダメじゃない。
- 褒めてくれる。
- やればできる。
- もっと頑張ろう。
自分に自信が出てくれば、意欲も向上し、なんでも頑張れるようになります。
孤独感をなくし、周囲にサポートしてもらう。
発達障害があると、周囲の人とトラブルが多く起こります。
対人関係が未熟で、人も物を勝手に使う。衝動的な行動が多く、行列に割り込んだりする。
そうして、周囲の人からはマイナスの印象を持たれることになります。
- わがままだ。
- 迷惑だ。
- 嫌な感じだ。
その結果、誰も自分のことを理解してくれないと、発達障害を持つ本人が感じるようになり、孤独感が強くなります。
これでは周囲の人からのサポートが期待できなくなります。
サポートを受けやすくするには、周囲の人に迷惑をかけない最低限の常識やマナーなどが必要です。
- ルールを違反する。
- マナーを違反する。
- 愛想がない。
- 人に対して攻撃的
こんな発達障害の特徴がある場合は、しっかり家族が教えてあげましょう。