発達障害を持つ子供との接し方、親の役目は?
発達障害を持つ子、親の役目は?
いつも発達障害を持つ子供の味方でいること。それが親の役目です。
発達障害を持つ子は、集団生活に馴染めず、孤独を感じたり、劣等感で悩んでいます。
それでも、誰か味方がいれば、辛くても立ち向かっていけます。
いつでも子供の味方でいてあげる存在、それが親の役目です。
発達障害を持つ子にとっては、どんな時でも親だけは自分を理解してくれると思えることで、学校生活がうまくいかなくても、耐えることができます。
子供自身は、みんなと違うと感じている。
中学生や高校生になると、発達障害を持つ子自身は、どこか自分は、みんなと違うと感じています。
小学生の頃には発達障害に気づかなくても、中学生、高校生と成長し、思春期になり人間関係も複雑になるのことで、発達障害に気がつくのです。
中学生や高校生になってから、自分が発達障害だと気がつくと、子供自身はショックを受けます。心理的に、自分が発達障害だと受け入れられない子も多くいます。
そんな時に、親が意識するのは、発達障害を持つ子の、いいところを伸ばすことです。
自分の障害に落ち込む子供を、短所などのネガティブな面ではなく、長所などのポジティブな面に目を向けさせましょう。
思春期はどんな子も接し方が難しい。
発達障害に関係なく、どんな子も思春期は接し方が難しい。
発達障害に関係なく、どんな子でも、中学生や高校生の思春期になると、親子の接し方は難しいものです。
「学校で何があったの?」
「なんで、できないの?」
「これをちゃんとしなさい。」
親は、子供が中学生や高校生になっても、ついつい小学生の時と同じように、あれこれ問いかけたり、指示したりしてしまいます。
思春期の子供は、必要以上に親が構ってくることを嫌がります。発達障害がある子は、学校でのトラブルで、どうすればいいのか、イライラしています。
ある程度、子供との距離をおいて、「見守る。」
そして、「何があったら必ず味方になる。」
見守りながら子供の味方、発達障害を持つ思春期の子供への接し方です。
親子の交換日記で改善
発達障害にかかわらず、思春期の子供には、親には秘密があるのは当たり前です。
思春期の中学生や高校生になると、親に悩みを打ち明けることが少なくなります。
しかし、直接喋って言えないことでも、日記形式で文章にすると、自分の悩みを親へ相談できる場合があります。
親子で交換日記を日々の日課にすれば、学校での出来事や、友達付き合いなどが、親にもわかります。
学校で困ったことや、悩んでいることも、日記の内容から自然とわかるようになります。
親から子供への日記の内容は、子供の行動を否定する内容や、指示する内容が多くなると、子供は交換日記が嫌になります。
子供の行動を肯定しながら、様子を見守る内容で、返信するようにしましょう。
常識や暗黙のルールをしっかり教える。
発達障害があると、常識や暗黙のルールが理解できません。親がしっかり常識を教えましょう。
中学生や高校生になると、大人と同じような、常識や暗黙のルールが必要になります。
例えば、初対面の人に、「その服、似合わないですね。」と言えば、相手が誰でも嫌な気持ちになります。
小学生の頃までは、幼い子供の言うことだと、大目に見てもらえますが、世間の人からは、中学生や高校生になると常識を持った一人前とみなされます。
また、発達障害で社会性が弱い子の場合は、「自分の家でやること」と「よそでやること」、この区別がつきません。
身内だけの場合と、よその人がいる場合、この区別を親がしっかり教えましょう。
発達障害があると、自分の判断で、その場の雰囲気を読んで、常識的に行動することが苦手です。
しかし、場数をこなし学習していけば、みんなに合わせた行動ができるようになります。
非常識な行動を放っておくと、ずっと進歩せず、非常識な行動を繰り返します。
常識は、その場面にあった行動を何度も教えれば、発達障害を持つ子でも、必ず社会性を身につけ理解できます。
発達障害を持つ子に常識を教えるのが、親の役目です。
不登校になっても焦らない。
中学生や高校生の不登校は、小学生のように単純には解決しません。
- 朝起きられなくなる。
- 朝起きても、学校に行く支度に時間がかかる。
- 学校に行く前に、体調が悪くなることが多い。
- 学校のこと、友達のことを話したがらない。
- 学校に行く時の、身だしなみが悪くなる。
こんな行動が続いてから、発達障害を持つ子は、不登校になっていきます。
なぜ不登校になるのか。それは発達障害を持つ子にとっては、その発達障害によって学校生活に適応することが難しいからです。
学校は、本来はバラバラの個性の子供たちを、みんな同じ教室で画一的な教育をする場所です。
発達障害を持つ子が、学校に馴染めなくなるのは、ある意味しょうがないことです。
小学生の頃までは、不登校になっても、原因は単純なことが多いです。
例えば、苦手な友達がいて、いじめがあったとしても、担任の先生に相談すれば、解決できることがあります。
しかし、中学生や高校生の思春期になると、人間関係も複雑になり、不登校の原因はほとんどの場合、簡単には解決できません。
ただでさえ人間関係が苦手な発達障害の子にとっては、小学生までは対応できても、中学生や高校生の思春期になると、人間関係にトラブルが出てきます。
どうしたの?、何があったの?と、子供を問い詰めても、障害がある場合は、問題は解決しません。
また、学校の先生を問い詰めても、問題が悪化するだけの場合がほとんどです。
- 小学生までは、不登校になったら原因を見つける。
- 中学生や高校生では、不登校になったら焦らずに原因探しは控えめにする。
親は不登校になっても焦らず、いつも親だけは味方であること子供に示しながら、発達障害の子の個性を見守りましょう。
不登校になった、発達障害を持つ子を学校に通わせるには、特別支援教育を検討するのも、一つの方法です。
最近は特別支援教育が充実してきています。障害を持つ子にとっては、ありがたいことです。
家族全員で接し方を決める。
家族全員の接し方が同じルールになるように決めましょう。
家族の中に、発達障害を持つ子がいると、家族全員がその子との接し方に戸惑います。
発達障害を持つ子が小学生の頃までは、それぞれの家族が、それぞれの接し方をしても大丈夫です。
しかし、発達障害を持つ子が中学生や高校生になったら、家族全員の接し方が同じルールになるように決めましょう。
父親は「勉強より部活動」
母親は「部活動より勉強」
兄弟は「友達がいればいい」
こんなバラバラなことを言うと、発達障害がある子は、何を優先したらいいか理解できなくなります。
親や兄弟などの、家族全員が、何を褒めるか、どんな時に注意するか、何を優先させるのか、接し方のルールを決めることが大切です。
甘やかさず、厳しすぎず。
甘やかしすぎるのもダメ、厳しすぎるのもダメ。
発達障害があると、部屋の片付けが苦手だったり、時間の管理が苦手だったりします。
親が部屋の片付けや掃除をしてあげる。もうすぐ学校の時間だよ、と何でも教えてしまう。
できないことがあると、親が何でも手助けしてしまうと、発達障害を持つ子が、いつまでも自立できません。
発達障害だから何をやっても許される、こんな意識にならないように、甘やかさないように、注意しましょう。
逆に、厳しすぎると発達障害を持つ子の自尊心が育ちません。
あれはダメ。これをしなさい。厳しく叱り続けると、自分はダメなんだと、発達障害を持つ子は考えます。
発達障害で、できない苦手なことがあるのは、その子の個性です。
できないことが多くても、親は発達障害を持つ子が自立できるように、イライラせずに見守ってあげましょう。
発達障害は個性です。イライラせずに見守りましょう。
子供は、自分が発達障害だとショックを受ける。
自分自身が発達障害だと言うことを、認めたがらない場合も多くあります。
思春期の中学生や高校生は、敏感な年頃です。
みんなと自分は何かが違う。そう自覚していても、自分が発達障害だと、診断されるのは拒否することが多いです。
思春期は、みんなと同じ、集団と同じ、それが重要なことだと考える特徴があります。
また、発達障害の、障害という言葉にも抵抗を感じます。
自分なりに苦労して成長してきたプライドが傷つき、ますます孤独になってしまいます。
無理に発達障害と告げる必要はない。
発達障害なんだと、思春期の子供に無理に説明する必要はありません。
子供のプライドを傷つけずに、本人がもっと成長して大人になってから、発達障害を告げても構いません。
また、専門医から、子供本人に発達障害だと説明してもらう方法もあります。
ただ、医者は発達障害の知識はあっても、子供に対する責任はありません。
子供に対する愛情と責任は、当たり前ですが、親が一番です。
何でも医者に頼ればいいのではなく、親が責任を持って、無理せず、焦らず、子供の発達障害を支援していきましょう。
親が1人で悩みをため込まない。
発達障害がある子供を育てる親は、子供の問題行動や、不安などからストレスが溜まります。
発達障害の原因は、親のしつけや、親が甘やかしたからではありません。
しかし、発達障害のことを知らない人にとっては、子供の問題行動を原因を親のせいと考える人も多くいます。
子供のことだけでも精一杯なのに、周囲の大人たちの視線を気にしていては、障害を持つ子より、その親の方が追い詰められてしまいます。
発達障害を持つ子の悩みを、打ち明けられる親戚や友達などを見つけ、子供の問題を抱え込まないようにしましょう。
子供のことで頑張るためにも、親自身がサポートを受けることが大切です。
学校の先生から発達障害へのサポートを受ける。
発達障害がある子のためには、先生とは対立ではなく、協力と連携です。
発達障害を持つ子には、家庭と学校が協力、連携してサポートすることが大切です。
・親は、学校のせいにする。
・先生は、親のせいにする。
これでは発達障害を持つ子のサポートが満足にできません。
学校の方針に不満を持ち、先生と対立しても、結果的に子供のためにはなりません。
発達障害を持つ子が、ますます学校での居場所がなくなるだけです。
中学校や高校などの学校教育でも、特別支援教育が普及し、発達障害の認知度が高まっています。
親自身が学校に通学していた時代より、今の時代の先生方は、発達障害についての知識も多く持っています。
また、担任の先生の他にも、学校には発達障害について詳しい先生もいます。そして、教育委員会などの学校以外の広域のサポートも受けられます。
昔に比べると、今は発達障害に対しての学校でのバックアップが格段に進歩しています。
子供の問題点や、支援方法、接し方など、発達障害を持つ子供の悩みを、先生に相談してみましょう。
親の会、発達障害をもつ子を育てる親同士で情報交換
障害を持つ子の親同士、親の会などで情報交換してみよう。
親戚や仲の良い友達、学校の先生などに悩みを相談しても、その相手は発達障害の子を育てているわけではありません。
自分と同じ悩みを持つ、親同士での情報交換、これが一番悩みを抱え込まない方法です。
発達障害をもつ子を育てる親が集まる団体は、全国に多くあります。
これまでの成功例や失敗例など、同じ悩みの親同士が、実体験したアドバイスをお互いにします。
自分の体験を、同じ立場の人に聞いてもらい、また、他の人の悩みを聞く、そうすると子供の障害の悩みを1人で抱え込むことがなくなります。
親の会の活動内容は、それぞれの団体によって違います。
親同士の情報交換だけの団体もあれば、講師によるセミナー、子供も交えた親睦会をする団体など、いろんな団体があります。
発達障害をもつ子と、親自身のライフスタイルにあった支援団体を見つけて、積極的に参加してみましょう。