国語の音読がダメ。発達障害児の特徴です。
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<目次>、国語の音読ができない。
- 1、発達障害の特徴の具体例
- 2、うちの子の場合は。(障害を持つ子)
- 3、こんなことが困ります。
- 4、原因はなんだろう?
- 5、改善方法の具体例、これを試そう。
発達障害の特徴、具体例。
国語の教科書、音読がダメ。
声を出して、国語の教科書を読む。
この音読ができない発達障害児がいます。
発達障害を持つ子が、声に出して本読みができない、音読ができないのは、本人の努力が足りないのではありません。
発達障害の特性で、本人が努力しても読めないのです。
音読が下手で苦手な発達障害を持つ子は、文章を読むときに、
- 読み間違い、読み飛ばしが多い。
- どこを読んているか、わからなくなる。
- 特定の文字が読めない。
- 小さい「つ・っ」が発音できない。
- 「あ・お」「わ・ね」「め・ぬ」などの似ている文字の区別がつかない。
- 漢字が読めない。
- 1行飛ばして読んでしまう。
- スラスラ読めず1文字ずつ読む、1単語ずつ読む。
- 文章を文節で区切って読めない。
会話は普通にできるのに、なぜか本読みができない場合もあります。
他の勉強はできるのに、音読だけが上手くできない子もいます。
学校では、おしゃべりは普通にできるので、音読の練習が足りないだけと思われてしまいますが、本を読めない特徴の障害なのです。
小学校1年生から学年が上がって気付く。
幼児期には気付かれず、学年が上がってから発見されます。
幼児の時期は、文章を読めなくても、保育園や幼稚園では、問題になりません。
小学校に入学したての一年生の時には、音読に不慣れな子が多いので、途切れ途切れな読み方でも問題ありません。
そのため、会話は上手にできるのに、本読みや音読だけが困難な子は、幼児期や一年生のうちは発見されにくいです。
しかし、二年生や三年生になり、学年が上がって本格的な文章を読むようになると、音読が苦手な特徴に気づき始めます。
学年が上がり、周囲の子は、本読みが上手になっても、うまく音読ができない子は、障害の可能性があります。
うちの子の場合は。
(広汎性発達障害、軽度知的障害児)
音読もダメ、会話もダメ。うちの子の障害の特徴です。
うちの子の場合は、勉強全般が苦手で、本読みも苦手です。
普段の会話も、うまくおしゃべりできないので、音読ができない特徴があるというより、言語全体が弱い特徴の障害です。
困ることは?、音読ができない。本読みが苦手。
音読がだめだと、学校の勉強全般で困ります。
国語の授業では、必ず声に出しての教科書の音読があります。
算数の授業でも、問題を声に出して読んだりします。
学校の勉強では、国語以外でも、声に出して本を読むことが多く、この音読ができない特徴があると、学校では困ってしまいます。
音読ができない。その原因は?
音読ができないのは、脳の機能の障害が原因です。
何気ない音読という行為も、脳でいろんな情報を処理しています。
- 文字の形から、文字を判別する。
- 目で見た文字の視覚情報を、脳が音に変換する。
- 適度な文節に区切る。
- 1行読んだら、次の行へ移る。
- 文章の意味を理解する。
このように、脳内でいろんな機能が働いて、はじめて音読ができるのです。
発達障害、知的障害を持つ子は、その機能のどこかに不具合があって、上手く音読ができないのです。
視覚そのものや、聴覚そのものに、異常がある訳ではありません。
読むことだけができないなら、LD学習障害が原因
読むことだけができないなら、発達障害のLD学習障害です。
LD学習障害とは、読むこと、書くこと、計算すること、などのうち、どれか特定の学習能力だけに、著しい困難がある発達障害です。
文字を書くことはできても、文章を読むことだけが著しくできないのは、LD学習障害の典型的な特徴です。
逆に、すらすら本読みはできても、書くことができない場合も、LD学習障害の典型的な特徴です。
LD学習障害が原因で、特定の学習能力が弱い場合は、小学生から成長して、中学生、高校生、大人になっても変わりません。
LD学習障害でも、耳で聞いたことなら覚えられる。
読むのではなく、耳で聞いたことを声に出して言う。
LD学習障害で、教科書や本の文章が読めない子でも、耳で聞いたことなら、すらすら読める子がいます。
正確に言うと、こんな子は、文章を読めているのではなく、文章を暗記して、声に出して言っているのです。
国語の教科書の文章は、何度も何度も繰り返し音読をします。
LD学習障害で、読むことが苦手でも、記憶力はいい子もいます。
そのため、LD学習障害で読めない子でも、記憶力が良ければ、何度も聞いているうちに文章を丸暗記して、声に出して言えるようになります。
ただし、実際には、文字を見ながら、すらすら読めている訳ではないので、音読が苦手な特徴を克服する根本的な解決策にはなりません。
音読ができない。改善方法の具体例、小学生の発達障害
障害を持つ子が、上手く音読ができるような改善例を紹介します。
上手く音読ができるため、家庭でやること。
本の読み聞かせ。
音読が苦手な子には、本の読み聞かせをしてあげましょう。
音読が苦手な子は、文字や言葉への興味が少なくなります。
まず、親が本の読み聞かせをやって、本、文字、言葉への興味を持たせるようにしましょう。
子供に音読をやらせるには、親が音読、読み聞かせをやってみせるのが一番効果的です。
行の間に線を引く。
行と行の間に線を引いて、読んでいる行をわかりやすくしましょう。
一行おきに蛍光ペンで色を塗るのも効果があります。読んでいる行がわからなくなる子には、この方法が効果的です。
文節を線で区切る。
「きれいな花がさいています。」
この文章を「きれいな/花が/咲いています。」と文節に線で区切りを入れましょう。
文章には読みやすいように「、。」の句読点があります。
発達障害、知的障害を持つ子は、句読点だけでは、上手く文章が区切れず、音読ができない子がいます。
その場合には、細かく文節を区切ると、読みやすくなります。
よく間違う単語に目印をつける。
よく間違う漢字にふりがなをつけたり、よく間違う部分に目印をつけましょう。
漢字を何度も読み間違う。
「寒い」を「つめたい」と、似た意味の言葉に置き換えて読んでしまう。
特定のところが読めない場合は、目印をつけて、注意を促す。
発達障害、知的障害で注意力が弱い子には、目印をつけて、読むときに識別しやすくしましょう。
上手く音読ができるため、学校に期待すること。
障害のことを先生にお願いしましょう。
発達障害児への配慮
学校の授業では音読が必ずあります。
国語の時間はもちろんですが、算数の時間でも問題文を読むことがあります。
学校の勉強では、みんなの前で文章を読むことは避けられません。
学校の先生に、障害児の特性を正しく理解してもらい、手助けしてもらえるように相談しましょう。
読み間違いをフォローしてもらう。
読み間違い、漢字が読めない、そんな時に先生にフォローしてもらいましょう。
発達障害、知的障害を持つ子は、障害のため音読ができないのです。
わざと読まないのではありません。
障害児本人の努力不足、練習不足などではないのです。
学校の先生には、障害児の特性を理解してもらって、授業中に音読が上手くできなかった時に、フォローしてもらうようにしましょう。
ダメな例、発達障害児には効果なし。
障害児に効果なし。
障害を持つ子は、怠けている訳ではありません。
わざと読まない訳ではありません。
一番辛いのは、障害を持つ子、本人です。
読めないことを叱る。
発達障害、知的障害を持つ子が、読み間違ったり、読めなかったりした時に、そのことを叱っても効果がありません。
音読が上手くできない原因は、障害による脳の機能なので、本人の努力ではどうしようもないのです。
不必要な叱責は、障害児本人が自信をなくすだけで、効果はありません。
叱るのではなく、音読が上手くできるような工夫やフォローをしてあげましょう。