小学生の発達障害の特徴

目が回らない。小学生の発達障害の特徴、具体的な改善例

くるくる回転しても、目が回らない。発達障害児の特徴です。

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小学生の発達障害の特徴、具体例

目が回らない。

発達障害児には、目が回らないっていう特徴がある子がいます。
くるくる回っても、全然目が回らないのです。

どんなに回転しても、フラフラせずに、まっすぐ歩ける。
目が回らないので、くるくる回る遊びが大好きな子もいます。

本人には、目が回らないのが特別だという自覚は全然ありません。


目が回らない、原因は前庭感覚が鈍感。

前庭感覚が鈍感なのが、目が回らない原因です。

この発達障害児の目が回らない特徴は、医学的には前庭感覚が鈍感ということです。
前庭感覚とは、耳の奥の内耳にある、前庭と三半規管の働きによる感覚のことです。

前庭とは、重力と直線加速度を司る感覚器官のことです。
また、三半規管とは、回転加速度を司る感覚器官もあります。
この、前庭と三半規管の働きによる前庭感覚は、体の傾き、揺れ、回転、加速などを感じる感覚で、前庭神経によって脳に伝達されます。

目が回る回転運動は、三半規管が感じ取る前庭感覚です。この感覚が鈍感なのが、発達障害児が目が回らない医学的な原因です。

目が回らない他にも、平衡感覚全般が鈍感な場合も多く、高い高いを怖がらなかったりします。
残念ですが、目が回らないだけで、運動が得意というわけではありません。目が回らない発達障害児は、感覚が未発達で、運動が苦手な場合が多いです。

この目が回らないという特徴、大人になっても変化なく目が回らない場合と、年齢とともに少なくなっていく場合もあります。

うちの子の場合は。
(広汎性発達障害、軽度知的障害児)

うちの子も、この目が回らない特徴があります。

わたしの子供もこの特徴があり、目が回りません。幼稚園の頃は、目が回ってないのかな?、変だなって思ってました。
小学校になって目が回らないのがわかった時は、びっくりしました。
それと小さい頃から、高い高いも全く怖がりませんでした。

車酔い、目が回らない発達障害児でも、車酔いする子もいます。

目が回らなくても、車酔いする。

自動車に乗ると、加速や減速の力、そしてカーブを曲がる遠心力が、体にかかります。
この時の、直線的な力を感じ取るのが、「前庭」からの前庭感覚です。
車酔いは、この前庭からの前庭感覚が原因です。

同じ前庭感覚でも、回転の感覚と、直線的な感覚には、微妙に違いがあるのです。
体が回転する場合は、「三半規管」からの前庭感覚です。それに対して、直線的な加速度を感じ取るのは、「前庭」からの前庭感覚です。

三半規管からの前庭感覚が鈍感な発達障害児は、目が回りません。
前庭からの前庭感覚も鈍感なら、車酔いはしないでしょう。
しかし、前庭からの前庭感覚が働いていれば、車酔いをしてしまいます。

目が回らない発達障害児でも、車酔いをするのは、これが原因なんです。

逆に、前庭感覚が過敏な子は、回転や揺れを嫌がる。

発達障害で、前庭感覚が過敏な子もいます。

目が回らない子は、前庭感覚が鈍感ですが、逆に、発達障害で前庭感覚が過敏な子もいます。
前庭感覚が過敏だと、体を回転させることや、体を揺らすことを嫌がります。

  • 高い高いが嫌い。
  • ジャンプが嫌い。
  • ブランコが嫌い。
  • すべり台が嫌い。

目が回らない子と反対に、前庭感覚が過敏な子は、ちょっとした回転や体の揺れを、過剰に感じ取ってしまうからです。



前庭感覚、人間はどうして目が回るのか?

目が回る、その時の感覚の仕組みは?

内耳にある前庭と三半規管は、内部にはリンパ液という液体で満たされています。このリンパ液の動きで、平衡感覚を感じ取っています。

発達障害と平衡感覚

水が入ったコップを回転させると、コップは回転しても、中に入った水は回転しません。
それと同様に、体が傾いたり回転すると、前庭や三半規管は体と一緒に動きますが、中のリンパ液は動きません。
この原理で、体の傾き、揺れ、回転、加速などを感じる感覚が、前庭感覚です。

しかし、水が入ったコップを、陶芸の”ろくろ”にのせて回転させると、中の水も次第にコップと一緒に回転を始めます。ろくろを急に止めると、ろくろと一緒にコップは止まりますが、コップの中の水は、しばらく回転を続けます。
それと同様に、体をずっと回転させ続けて急に止めると、前庭や三半規管は体と一緒に止まりますが、中のリンパ液はしばらく回転を続けます。
体は止まっていても、前庭と三半規管の中のリンパ液が動いている状態、これが目が回っている状態なのです。

発達障害で前庭感覚が鈍感なら、リンパ液が動いていても、その状態を感知できないので、目が回らないのです。

これが人間が目が回る仕組みです。

人間の平衡感覚は、いろんな感覚を統合して感じています。

いろんな感覚の総合的な情報から、人間は平衡感覚を維持しています。

  • 前庭感覚、内耳の器官による感覚
  • 視覚、目で見る感覚
  • 深部感覚、関節や筋肉の動きによる感覚
  • 皮膚感覚、触覚や痛覚など体表面の感覚

例えば、車酔いでは、平衡感覚の元となる、このいろんな感覚が複雑に絡み合っています。
車酔いの主な原因は、不規則な揺れを前庭感覚が感じることです。しかし、進行方向を向いて座ると視覚の効果によって、車酔いが軽減されます。また、リラックスして、筋肉をほぐす深部感覚の効果でも、車酔いが軽減されます。
これは、車酔いの原因である平衡感覚が、前庭感覚だけでなく、視覚や深部感覚も、影響を受けることを示しています。

具体的な改善例、目が回らない発達障害児、前庭感覚は鍛えられる。

  • 寝返りで横に転がる。
  • 回転する遊具で遊ぶ。
  • でんぐり返しをする。

こんな回転する遊びや運動を数多くすることで、前庭感覚は鍛えることができます。

目が回らなかった発達障害児でも、遊びや運動によって、前庭感覚と視覚などを統合する機能が鍛えられ、大人になると、目が回るようになる場合もあります。

遊びや運動によって、鈍感だった感覚を鍛える療法を、感覚統合療法といいます。
感覚統合療法の、平衡感覚を使った遊びや運動で、視覚や深部感覚とともに、前庭感覚も成長していきます。

そして、目が回らなかった発達障害児でも、感覚が発達して、成長とともに目が回るようになることもあります。



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