文字が上手に書けない。
発達障害を持つ子の中には、文字を書くことが苦手な子がいます。
- 文字が汚くて、なんて書いているかわからない。
- ノートのマス目や、線の中に字を収めて書くことができずに、はみ出して書く。
- 形が似ている文字、「わwa」と「ねne」、「めme」と「ぬnu」などを、区別して書くことができない。
- 先生が黒板に書いたことを、ノートに書き写すことができない。
- 自分だけの変な形の文字を書く。
字が汚い原因は、LD学習障害
書くことが苦手な、学習障害LDが原因です。
発達障害を持つ子が、文字が上手に書けないのは、脳の働きなどが原因です。
文字の形は、脳に記憶されていても、鉛筆を持ち、手を動かさないと、字は書けません。
書くことが苦手な、学習障害LDの子の場合は、脳の記憶から、紙に書くまでの作業のどこかに、問題があって、文字が書けないのです。
文字を書くことが苦手でも、文章は上手に読める子もいます。
文字を書くことと、文字を読むことは、脳の中での機能が別なので、書けないことと、読めないことは、原因が違います。
LD学習障害で書くことが苦手な子は、黒板を書き写すのが特に苦手です。
黒板に書いていることは、スラスラ読めるのに、黒板をノートに書き写すことができません。
前を向いて黒板を見て、その内容を一旦暗記して、下を向いて暗記した黒板の内容を思い出しながら、ノートに文字を書き写す。
これは、書くことが苦手なLD学習障害の子にとっては、かなりハードルの高い動作なのです。
ADHDは、気分によって、字が汚くなる。
ADHDが原因で、字が汚い。
発達障害の中でも、ADHD注意欠如多動性障害の場合は、気分によって、字が汚くなります。
注意力や集中力が、極端に弱いADHDの発達障害を持つ子の場合は、字を書く時の気分によって、字が綺麗になったり、字が下手になったりします。
集中して字を書くと、それなりに綺麗な字が書けるのに、注意力がそれると、途端に、なんて書いているかわからない字になってしまいます。
作文を書くときは、最初は集中して書いているので、字が綺麗ですが、後半になると、集中力が途切れて、字が汚くなります。
ADHDの子に、集中して注意深く書くように叱っても、そもそも集中できないのがADHDの特徴なので、注意深く書けるはずがありません。
発達障害が原因で、文字が上手に書けないなら叱っても効果なし。
叱っても、字は上手にならない。
文字が上手に書けないのが、発達障害が原因なら、叱るだけで、字が上手に書けるようにはなりません。
文字を書くのが下手なのは、本人の努力不足ではないので、叱っても無駄です。
ただ単に、同じ文字を何度も書かせて練習させても、上手に書けるようになりません。
特に、漢字の細かい部分を正確に書かせようと、叱ってしまうと、どんどん書くことが嫌になってしまいます。
ただでさえ、発達障害が原因で、文字を書くとが苦手なのに、叱られてばかりなら、ますます、文字を書くことが嫌いになるのは、当たり前です。
文字を書く練習に工夫をする。
工夫した練習で、発達障害を克服しよう。
まずは、なぞり書き。
ひらがなや、漢字の形を理解させるには、お手本となる文字をなぞって書かせます。
小学校の漢字ドリルには、なぞり書きがありますが、LD学習障害で、書くことが苦手な子は、普通の子の何倍も、なぞり書きをさせましょう。
未使用の漢字ドリルをコピーして、何度も何度も、同じ漢字をなぞり書きさせます。
他の方法としては、お手本の文字の上に、透明なクリアファイルを被せて、ホワイトボードマーカーで書く方法があります。
クリアファイルに書いた文字は、黒板消しで消えるので、何度も繰り返し使えます。
マス目が大きなノートを使う。
大きなマス目で、文字を書く。
学年が上がるにつれて、国語のノートは、マス目が小さいものを使うようになります。
発達障害が原因で、文字を上手に書けない子には、大きなマス目のノートを使って、文字を書かせるようにしましょう。
小さいマス目だと、文字を書くのに鉛筆の細かなコントロールが必要です。
また、自分自身が書いた文字が小さくて認識しにくくなります。
小学校の担任の先生に相談して、国語だけでなく、全ての教科で、マス目が大きいノートを使わせてもらいましょう。
簡単なひらがなも、繰り返し反復練習。
簡単な文字でも、反復練習が必要です。
LD学習障害で書くことが苦手な子は、一度覚えた文字であっても、また忘れて書けなくなります。
ひらがなを完全にマスターしたとしても、また、1年経ったら、ひらがなを書けなくなることもあります。
これは、本人の努力が足りないのではなく、障害の特徴なので、どうしようもありません。
字を書くことは、学校での勉強だけでなく、人が生活していく上で、どうしても必要なことです。
どんなに簡単な文字であっても、何度も何度も、繰り返し練習しないと、文字を書けなくなります。
LD学習障害が原因で字を書くことが苦手な子は、根気強く、継続的に練習するしか、方法はありません。
スマホやパソコンで文字を入力する。
ITを活用する。
自分の手で文字が書けなくても、パソコンのキーボードからは、文字が入力できる子もいます。
LD学習障害で文字が書けない子でも、読むことは普通にできる子もいます。
この発達障害の特性の子は、文字を覚えていない訳ではないのです。
自分の手を使って文字を書くことができない子でも、パソコンを使えば文字入力ができる場合があります。
学校では、自分の手で鉛筆を使って文字を書くことが、どうしても必須です。
しかし、将来的には、パソコンやスマホの文字入力ができれば、日常生活に支障がなくなる可能性もあります。
できないことを叱り続けるのではなく、得意なことを褒めて伸ばして、子供を成長させましょう。
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