日々の生活の中には、発達障害のサインが隠れています。
発達障害の隠れたサインを見つけよう。
「なぜ、この子は?」それが発達障害のサインです。
「なぜ、この子は?」と、子供の行動に対して、悩むことがあると思います。
日々の生活の中での、子供の行動には発達障害の特徴のサインが隠れています。
- 名前を呼んでも振り向かない。
- 落ち着きがなく動き回る。
- 勝ち負けにこだわり負けると怒る。
これらの行動は、発達障害の傾向がある子に見られる特徴です。
何度も母親が注意しても同じことを繰り返して、一向に改善できません。
「なぜ、この子は?」と悩む行動は、発達障害の子供からのサインなのです。
発達障害は、その子の個性
発達障害とは、日常生活に支障をきたす個性のことです。
発達障害という言葉に、ネガティブなイメージを持つ人も多くいるのは事実です。
実際には、発達障害は、深刻な病気を抱えている訳ではありません。
どんな人でも、誰にだって個性はあります。
発達障害の子にも、同じように個性があります。
発達障害は、発達が偏る、その子の個性です。
発達障害の子は、他の子より、ちょっと強めの個性を持っているだけなのです。
しかし、発達障害の子の「個性」は、何もせずにいると、日常生活の中で困ったことが起きてしまいます。
そもそも、日常生活に支障をきたす個性のことを、発達障害と呼んでいるのです。
発達障害を持つ子が、楽しく生活をするためには、その子の特性を把握した上での支援が必要です。
適切な支援さえあれば、発達障害の子の持っているプラスの能力を活かすことができます。
エジソンやアインシュタインも発達障害だった。
発達障害の子は、苦手なこと、得意なことが極端です。
発達障害の子は、他の子が当たり前にできることが、できない特徴もあります。
逆に、他の子ができない難しいことでも、発達障害の子が、上手にできることもあります。
発明王のエジソンは、発達障害でした。
また、天才物理学者のアインシュタイン博士も発達障害でした。
現代でも、数学の分野や、音楽の分野などで活躍する人の中には、発達障害を持つ人もいるそうです。
発達障害の特徴である、発達の偏りは、特定の能力が飛び抜けて高い可能性も秘めているのです。
得意な能力を活かせば、発達障害を持つ子は、どんどん成長していきます。
しかし、母親の心境は「そんなに、すごい人じゃなくていいから、普通になって欲しい。」というのが本音だと思います。
飛び抜けて高い能力を活かすことも大切ですが、苦手な部分を補うことで、普通の生活が送れるようになります。
発達障害を持つ子の苦手な部分を補い成長させるには、障害の特性を理解した上での、ちょっとした工夫が必要です。
発達障害を持つ子の割合は「6.3%」
クラスの中の2人が発達障害を持っています。
文部科学省の調査によると、全国の公立小学校・中学校の通常学級の中には、配慮の必要な発達障害の子の割合は「6.3%」です。
35人クラスなら、2人くらい発達障害を持つ子がいる割合です。
しかし、実際には、もっと多くの発達障害を持つ子がいると考えられています。
問題行動がある子でも、その原因が発達障害だと気付いていない子もいるからです。
全体の1割くらいが、何らかの発達障害を持つという指摘もあります。
また、発達障害まで至らないグレーゾーンの子も含めると、もっと多くの子が発達障害の傾向で悩んでいます。
最近は、発達障害と診断される子は増加傾向ですが、なぜ増加しているかの明確な理由は不明です。
発達障害が広く認知されてきて、昔では診断を受けなかった軽度の子でも、現在は診断を受けるようになったことが原因との指摘もあります。
発達障害とわかれば、その子にあった支援を見つけることができます。
発達障害の種類
発達障害の種類には、明確な線引きができません。
発達障害とは、生まれつきの脳の働き方の個性で、日常生活に困難がある状態です。
発達障害には、知的障害を伴うこともありますが、知的な遅れのない場合もあります。
ただ、発達障害では、特定の種類の診断名がついたとしても、その特性は、人によって違いがあります。
また、2つ以上の発達障害の診断名がつく場合も、多くあります。
さらに、年齢が上がると、診断名が変更になる場合もあります。
例えば、小学生の時点では、落ち着きがない点が目立ち、ADHDとLD学習障害と診断されていた子が、成長とともに、落ち着きは改善が見られても、人間関係に問題が出てきたら、自閉症スペクトラムと診断される場合もあります。
特定の診断名であっても、人によって特性が違うという、発達障害の特徴を理解した上で、子供の支援を考えましょう。
発達障害は、生まれつきの脳の機能が原因なので、親の育て方や躾が悪い訳ではありません。
自閉症スペクトラム障害
自閉症のような対人関係が苦手な発達障害の総称です。
対人関係が苦手な、自閉症の特徴を持つ発達障害を総称して、自閉症スペクトラム障害と呼びます。
- 自閉症
- 高機能自閉症
- アスペルガー症候群
これら3つの発達障害は、対人関係に問題がある特徴がありますが、知的障害の有無などの特徴には違いがあります。
しかし、発達障害の原因の、本質的な部分は共通であると、最近では考えられるようになりました。
自閉症スペクトラム障害とは、3つの発達障害を総称した呼び名として使われています。
広汎性発達障害
広汎性発達障害は、自閉症スペクトラム障害と、ほぼ同じ意味で使われます。
広汎性発達障害とは、自閉症スペクトラム障害に加え、染色体異常が原因のレット症候群、小児期崩壊性障害などの発達障害を含む診断名です。
自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群を含む呼び名なので、自閉症スペクトラム障害と、ほとんど同じ意味で使われることも多くあります。
自閉症の特徴
自閉症の主な特徴は、次の3つです。
- 対人関係が苦手で、社会性がない。
- 言語の遅れ、コミュニケーション能力が低い。
- 関心が狭く、こだわりが強い。
これらの3つが、自閉症の中核となる症状です。
お友達との集団に入りたがらない。人と目を合わせようとしない。
言葉の覚えが遅く、棒読みのような話し方。ただ単に言葉を発するだけで、相手に合わせて喋れない。
新しい場所や、新しいことが苦手。自分の好きなことだけに入り込む。同じ遊びだけを何度も繰り返す。
このような特徴が見られたら、自閉症の可能性があります。
知的な遅れがないのは「高機能自閉症」
知的障害のない自閉症は、「高機能自閉症」と呼ばれます。
自閉症は、多くの場合で、知的障害を併せ持ちます。
知的障害のない自閉症は、「高機能自閉症」と呼ばれます。
自閉症で、知的な遅れを伴う割合は7割程度です。
知的な遅れがないからといって、その子の問題が軽いという訳ではありません。
知的能力が高くても、人間関係が苦手な特徴が強いと、日常生活の中では、問題が多く起こります。
また、軽度の知的な遅れがあっても、人間関係が苦手な特徴が少ないと、日常生活では、比較的問題なく、お友達の中で行動できる場合もあります。
問題行動には原因がある。
先生の指示通りに行動しない子にも、原因があります。
例えば、普段と同じ行動をすることに、こだわりが強い子の場合には、先生の指示が普段とは違い、混乱してしまったことが原因かもしれません。
また、例えば、先生の指示が「ちゃんと」や「きちんと」「ちょっと」「しばらく」などの曖昧な表現を使っていた場合、その言葉が理解できないことが原因かもしれません。
「お風呂のお湯を入れられる?」と聞くと、「入れられるよ」と答えるだけで、実際にお風呂のお湯を入れる行動をしないことがあります。
ただ単に、可能かどうかの問いかけに答えるだけて、お湯を入れて欲しいという相手の気持ちが理解できないのが原因です。
中核症状は治らなくても、問題行動は解決できる。
根本の原因は無理でも、問題行動は改善できる。
発達障害では、中核となる症状そのものは、生まれつきの脳の機能が原因なので、治りません。
しかし、周囲への対応を訓練したり、社会的な習慣を習得することで、問題行動を解決して、日常生活をスムーズに遅れるようになります。
自閉症への対応のポイント
ポイントを押さえた工夫をしよう。
自閉症の子供へは、言葉での伝え方をちょっと工夫することで、会話が理解できるようになります。
また、自閉症の子が、落ち着いて行動するためには、その子にあった環境作りが大切です。
- 具体的な言葉で、短く話しかける。
- 子供への指示は、まとめて伝えず、1つずつ行う。
- 話だけで理解できない時は、実物や写真を見せて伝える。
- やりたがることを、無理にやめさせない。
- 遊び始める前に、終わる時間を決める。
- 子供が嫌がる音を避けるなど、落ち着ける環境を整える。
どんな発達障害でも、その特性を理解すれば、その子にあった支援が可能です。
アスペルガー症候群の特徴
アスペルガー症候群の主な特徴は、次の3つです。
- 対人関係が苦手で、社会性がない。
- 言語の遅れはないが、相手の気持ちが考えられない。
- 関心が狭く、こだわりが強い。
アスペルガー症候群は、自閉症の特徴も併せ持ちます。
アスペルガー症候群の子は、知的な障害はなく、むしろ、人並み以上の知的能力があることが多いのが特徴の一つです。
知的な遅れがないので、発達障害だと目立ちにくいのもアスペルが症候群の特徴です。
発達障害が目立ちにくいことで、早期の支援が遅れてしまうのが欠点です。
アスペルガーは、年齢が上がり成長するほど、問題が多くなる。
年齢とともに、問題が多くなります。
アスペルガー症候群は、知的な遅れがないので、通常では、幼児期には発達障害が発見されません。
幼稚園や保育園の時期は、先生たちが問題を解決してくれるので、少々の問題行動があっても生活は困りません。
しかし、小学生になって、本格的な集団生活が始まると、友達になじめず、いつも一人ぼっちで、気になる行動が増えてきます。
ただ、言葉も上手に話せる上に、知的能力が高いので勉強ができたり、障害があるとは、気づかれません。
対人関係が苦手なのは、発達障害が原因ではなく、単なるわがままな子だと思われることがあります。
- 相手の考えがわからない。
- 相手が嫌がることでも、思ったことを、そのまま言ってしまう。
- 相手の話を聞かずに、一方的に喋り続ける。
- その場に不相応な難しい言葉を使って喋る。
- 特定のことへの興味が強すぎる。
- 曖昧な表現や、比喩的な表現皮肉などが理解できない。
アスペルガーの対応のポイント、社会的な対応能力を身につける。
経験を積み重ねて、アスペルガーを改善しよう。
アスペルガー症候群の問題行動を軽くするには、人と接する経験や知識を積み重ねることです。
障害の中核となる、対人関係が苦手な特徴は、脳の機能が原因なので治りません。
しかし、記憶力などの知的能力が高い特徴を活かせば、問題行動を軽くすることが可能です。
- 言葉使いは上手でも、内容は理解できていない場合がある。
- 曖昧な表現を使わず、具体的な言葉で伝える。
- 話した内容を本人に確認しながら、会話する。
ADHD注意欠如・多動性障害の特徴
落ち着きがないのが、ADHDの主な特徴です。
- 不注意、注意力が弱い、集中力がない。
- 衝動性、突然の行動が多い、待つことができない。
- 多動性、落ち着きがない、じっとできない。
気が散りやすい。忘れ物やなくし物が多い。自分に興味がないことは、上の空で聞いていない。
人が話し終える前に、自分のことを話し始める。やりたいことを我慢できない。計画的に行動できない。
いつも体を動かしている。常にキョロキョロしている。学校の授業中に席に座っていられない。
ADHDの子には、不注意だけが目立つ子もいます。
また、多動性と衝動性があっても、注意力はある子もいます。
普段は静かでおとなしく、ぼんやり自分の世界に入って、周囲に注意を向けないだけのタイプの子もいます。
その反対で、衝動的に思ったらすぐに行動して、活発なタイプの子もいます。
どんな子でも、小さい頃は落ち着きがない。
多かれ少なかれ、子供には落ち着きはない。
子供なら誰しも、落ち着きはなく、不注意な行動があります。
成長して、年齢とともに、次第に落ち着きが出てくるものです。
しかし、同じ年齢の子との集団生活の中で、落ち着きのなさが特に目立ってしまうのなら、ADHDの可能性があります。
ADHDは、学校で落ち着きがないだけでなく、家でも落ち着きがないなど、どんな場所でも落ち着きがないのが特徴です。
特定の場所でだけ、落ち着きがない場合は、その場所を嫌がる何らかの原因があり、ADHDではない可能性もあるからです。
自分でわかっていても、できないのがADHD。
自分でわかっていても、我慢できないのがADHD。
ADHDの子の特徴は、自分で自分自身の特徴がわかっても、自分の感情をコントロールできません。
落ち着いて行動しなければと、自分に言い聞かせても、それができないのがADHDなのです。
順番を待てば、自分の番が来るとわかっていても、我慢することができずに、人を追い越して自分勝手な行動をしてしまいます。
叱られると反抗的な態度をする子でも、心の中で自分自身の行動に悩んでいるのです。
ADHDの原因は脳の機能
生まれつきの脳の機能が原因です。
ADHDの原因は、生まれつきの脳の機能に問題があることです。
計画を立てて行動する機能や、相手の行動を見守り待つことを司る脳の機能が弱いことが原因です。
例えば、学校に行く時には、途中で自分の興味がある犬や猫などの動物がいても、時間に遅れないように、犬と遊ぶことを我慢します。
しかし、ADHDの子は、学校に遅れないように行くという目的を忘れて、大好きな犬がいれば、衝動的に行動に移します。
学校へ行く時や、学校から帰る時に、自分の興味を我慢して抑えることができずに、寄り道ばかりしてしまいます。
目先のことばかりに気を取られて、計画的に行動する、遅れそうなら急いで行動を修正するといった、脳の働きができないのです。
ADHDの子は、小さい頃から怒られてばかり。
怒られてばかりなので、自信がない。
落ち着きがなく走り回るような子は、小さい時から、怒られてばかりいます。
親からいつも怒られてばかりで、自尊心が育ちにくいのがADHDの特徴です。
お友達からも嫌がられることが多く、自分が好かれていないことに気がつきます。
ADHDの子も、良いことと、悪いことの区別はつきます。
自分が悪いことをしていると、理解できても、その感情を我慢することができないので、いつも怒られてばかり。
いつも自分が悪いことをしていると、葛藤しながら生活していては、自尊心は芽生えません。
ADHDの対応のポイントは「褒めること」
叱らず、褒めることがポイントです。
ADHDには、叱ることより褒めることが重要です。
できない時に叱るのではなく、できた時に褒めましょう。
褒めるためには、子供の行動をよく観察することです。
ADHDの子は、小さい頃から叱られて育っています。
ルールを決めて、成功体験を積み重ねさせて、褒めることで、やっていいことと、やってはいけないことを、しっかりと学ばせましょう。
- 毎日の生活にルールを決めて、予定通りに実行させる。
- 簡単なことから、確実に計画通りに実行させる。
- 何かできたら、すぐに褒めてあげる。
- 作業の途中で集中力が切れないように声かけをする。
- 感情的に叱らずに、何が悪かったかを説明する。
ADHDには、治療薬も実績がある。
治療薬は、副作用を考える。
ADHDには、薬物療法も多くの実績があります。
治療薬で、脳の活動をコントロールすることにより、ADHDが原因の問題行動を抑制します。
- 商品名「コンサータ」、成分メチルフェニデート
- 商品名「ストラテラ」、成分アトモキセチン
- 商品名「インチュニブ」、成分グアンファシン
しかし、どの治療薬でも、副作用の問題があります。
LD学習障害の特徴
特定の学習能力だけに著しい問題があるのが、LD学習障害です。
LD学習障害とは、総合的な知的な遅れはないのに、特定の学習能力だけが、極端に困難な状態の障害です。
読むこと、書くこと、話すこと、聞くこと、計算すること、類推すること。
知的な遅れがないのに、どれかの分野だけに、著しい能力の欠如があれば、LD学習障害と診断されます。
会話ができるのに、文章が読めない。単独の文字なら読めても、文章になると読めない。似ている文字を間違えたり、読み間違いが多い。音読が途切れ途切れになる。
文字が読めても、文字を書けない。文字を書く時に、空欄やマス目に収まるように書けない。
計算ができない。数の概念が理解できない。長さや重さの単位の意味が理解できない。
幼児期や小学校入学すぐには、LD学習障害は見つけにくい。
LDを幼児期に見つけるのは難しい。
LD学習障害は、幼稚園や保育園では生活に支障がないので、気づきません。
小学生になって、本格的に勉強を始めるようになってから、問題に気づきます。
しかし、小学校に入学してまもない頃は、特定の分野が苦手なのが、ただ単にできないだけなのか、LD学習障害が原因なのかの区別がつきにくく、早期発見は難しいです。
LD学習障害の原因
脳内のネットワークが原因です。
例えば、文章を音読するのは、目で見た文字を視覚情報として脳に伝達して、脳の中で文章として認識します。
その文章を言語情報に変換して、発声情報として喉から声に出します。
この脳内のネットワークのどこか一部にだけ、問題があることで、特定の分野だけの学習能力が困難な状態になると考えられています。
LD学習障害は、環境的な影響で学習能力が低下する訳ではありません。
LD学習障害は、怠けていると思われる。
怠けているのではない。
総合的な知的能力に遅れがないため、特定の部分だけができないLD学習障害は、知らない人からは、怠けているだけを思われてしまいます。
「できるのに、やらない」「わざとやらない」と思われることで、本人は、一生懸命頑張っているのに、周囲からのサポートが得られません。
頑張っても、怠けていると思われる。
これでは、勉強に対しての意欲が低下し、ますます、苦手な分野ができなくなってしまいます。
LD学習障害は、ちょっとした工夫で改善できる。
LD学習障害は、その子にあった、ちょっとした工夫で、困難な状態を改善できます。
例えば、目で追うだけでは、読むことが苦手な子は、音読ができません。
読むことが苦手な子には、「今日は/雨が/降って/運動会が/延期になった」と区切りに印をつけることで、文節を意識して、音読ができるようになります。
ひらがなは読めても、漢字だけが読めない子には、ふりがなを書いてあげれば、音読ができるようになります。
LD学習障害の子の、どこができないのかを見極めれば、対策が取れます。
文字を書くのが苦手な子には、マス目が大きいノートを使って書かせます。
教材などを工夫することで、苦手な分野の学習が、ちょっとでもできると、LD学習障害と持つ子の自身に繋がります。
できたという経験が、勉強に前向きにさせ、より努力するという、好循環が生まれます。
読字障害、ディスレクシア
英語などは、ディスレクシアが比較的多い。
ヨーロッパやアメリカなどでは、文字を読むことが困難な、LD学習障害が「ディスレクシア」と呼ばれ、一般的に多くの人に知られています。
アルファベット言語では、ディスレクシアの割合が高く、LD学習障害の人が多いので、その知名度も高いのです。
それに比べて、日本では、読字障害の割合が比較的に少ないので、一般的にはあまり知られていません。
また、日本では、読み書きは、頑張ればできると信じられており、発達障害の特徴として、特定の学習分野に困難があることが、認知されにくい環境にあります。
LD学習障害の対応のポイント
LD対応のポイントです。
- 苦手な分野のパターンを把握する。
- 教材の工夫をいろいろ試して、その子にあった方法を見つける。
- 小さな目標を設定して、達成させる。
- 急かさずに、根気よく時間をかける。
- 怠けていると決めつけない。
- 学校の課題ができない時には、先生に相談する。
発達性協調運動障害の特徴
極端に運動が苦手で、不器用なのが、発達性協調運動障害です。
極端に運動が苦手で、不器用なのが、発達性協調運動障害です。
運動が苦手な点や、不器用な点は、発達障害の特徴の一つです。
例えば、自閉症の子でも、運動が苦手な特徴は多く見られます。
しかし、人間関係が苦手などの、他の発達障害の特徴がないのに、極端に運動が苦手で、手先が不器用な特徴がある子もいます。
そのような子の場合には、「発達性協調運動障害」と診断される場合があります。
この発達性協調運動障害は、自閉症やアスペルガーやADHDなどの他の発達障害と併発している時には、他の発達障害の診断名の方が優先されるため、発達性協調運動障害とは診断されません。
つまり、発達性協調運動障害の診断名は下位で、他の発達障害の診断名が上位ということです。
そのため、発達障害で極端に不器用であっても、他の発達障害の特徴があれば、発達性協調運動障害とは診断されずに、他の診断名となっています。
手先が不器用・全身運動が苦手、発達性協調運動障害の特徴
発達性協調運動障害の具体例です。
- 鉛筆がうまく使えず字が汚い。
- はさみやホッチキスが使えない。
- 工作や絵を描くのが苦手。
- 定規やコンパスや分度器が上手に使えない。
- 服のボタンが止められない。
- 縄跳びができない。
- 逆上がりなど鉄棒ができない。
- ボールが投げられず、ボールを受け止められない。
- マット運動ができない。
- 自転車に乗れない。
発達性協調運動障害には2つのタイプ
手先が不器用な点と、全身を使った運動能力が低い点の、2つが主な特徴です。
発達性協調運動障害は、手先が不器用な点と、全身を使った運動能力が低い点の、2つが主な特徴です。
どちらも、脳の機能に問題があり自分の身体の感覚をコントロールできないのが原因と考えられています。
手先が不器用なタイプ
手先が不器用なタイプの具体例です。
箸やスプーンやフォークを使う細かい手先の動きが苦手な子の場合は、指先の感覚を養うことで、少しずつ改善される場合があります。
手先が不器用なタイプは、道具を使うのが苦手なので、細かな指遣いがスムーズにできません。
小学校では、図工の授業では、絵を描くことや、工作をすることに時間がかかったり、雑な仕上がりになります。
そのため、障害を持つ子自身にとっても、苦手意識が出てしまい、細かい作業が嫌になるという、負のスパイラルにはまります。
生活面でも、服のボタンがとめられなかったり、服を畳めなかったり、紐が結べなかったり、身だしなみが、だらしなくなります。
これらの問題は、怠けているのが原因ではなく、物の位置に応じて指先を動かすことが苦手な、発達性協調運動障害が原因です。
できないことで、障害を持つ子、本人が一番悩みストレスを溜めています。
手先が不器用な発達性協調運動障害の対応のポイント
楽しみながら、道具を使うことがポイントです。
手先が不器用なことを改善するためには、指先の感覚を少しずつ養っていきます。
- 家庭でも、はさみなどの道具を使った工作をする。
- 粘土で遊ぶ。
- 折り紙で遊ぶ。
- 家族と一緒に料理を作る。
全身を使った運動能力が低いタイプ
全身運動が苦手なタイプの具体例です。
縄跳びなどの全身を使った運動が苦手なタイプは、毎日訓練を繰り返すことで改善する場合があります。
ただ単に走るだけなら、同年齢の子と同じくらいの速さで走れる場合もあります。
しかし、マット運動や、縄跳び、鉄棒やボールを使った運動のような、複数の身体機能を使う運動になると、途端にできなくなります。
人の動きを見ながら、同じ動きを真似することができないので、ダンスができません。
目で見た視覚情報から、自分の体を動かす情報に、脳が瞬時に変換することができないのです。
また、目を閉じた状態で、体を触られても、触れられる触覚が鈍いので、どこを触られているかが、わからない子もいます。
筋力が弱いタイプの子もいれば、筋力は人並みにあるタイプの子もいます。
そのどちらでも、筋肉をコントロールする脳の運動神経が弱いので、運動ができないのです。
その結果、運動に対して、苦手意識を持ち、運動嫌いになってしまいます。
しかし、嫌いだからと言って、運動をやらなければ、ますます、運動ができなくなってしまいます。
ぎこちない身体の動きを改善するためには、毎日、少しずつでも、身体を動かす訓練を積み重ねることが大切です。
運動能力が低い発達性協調運動障害の対応のポイント
家族で一緒に身体を動かそう。
家族と一緒に楽しく、遊びや運動で、身体を訓練することが、発達性協調運動障害の対応のポイントです。
- 布団で、でんぐり返しをする。
- 公園で鉄棒をする。
- 家族でテレビを見ながらダンスをする。